芸備線で行く酒蔵見学ツアー参加

乗りんさい芸備線実行委員会主催のツアー

「芸備線で行く酒蔵見学ツアー」に参加しました。

貸切車両で、沿線の4つの市にあるそれぞれの酒蔵の地酒を試飲し、

酒蔵2軒を見学しました。

酒造りに賭ける情熱を実感して感動しました。

 

広島駅から三次行きの定期運行列車に連結した貸切車両(キハ40-2091)で出発。

この日はキハ40型の3両編成で、珍しかったようです。

車内では、安芸高田市にある向原酒造の杜氏・渋川さん(写真左)と

唎酒師の藤本さん(同・右)のトークを聞きながら試飲をしました。

旅行会社の添乗員さんが手作りしてくださった

首掛け式のトレイにおつまみがまとめて入れられて便利でした。

 

試飲したお酒は、

三次市甲奴町の山岡酒造「瑞冠 純米 山田錦70 超辛口」

広島市安佐北区の旭鳳酒造「旭鳳 純米吟醸 泰平 火入」

庄原市東城町の生熊酒造「超群 純米吟醸」

三次市三和町の美和桜酒造「美和桜 純米大吟醸 黒箱」

安芸高田市向原町の向原酒造「純米大吟醸 神の蔵」

です。それぞれに個性があります。

 

甲立駅で下車。

列車の写真を見ておわかりのように、正面の種別幕が

一般的な丸ゴっぽい書体ではなく

サンセリフを斜体にしたような書体になっていました。

ところで貸切列車の場合は「団体」表示になるのではないかと思いますが、

私たちが下車したあとは三次まで一般のお客さんも乗れたため

「普通」になっていたみたいです。

 

貸切バスで「瑞冠」の山岡酒造へ。杜氏に蔵を案内してもらいました。

こちらでは杜氏自ら米作りをされています。

亀の尾という珍しい品種を手がけておられます。

冷害に強いため東北地方で古くから作られており、

コシヒカリなどの祖になっているそうです。

確かにコシヒカリのように丈が長いですね。

亀の尾で醸した酒はしっかりとした味わいがあり、食中酒向きです。

ジビエなどの肉料理に合わせると良いようです。                    

 

安芸高田市の道の駅・三矢の里あきたかたで

和牛すきやき定食の昼食。

昼食後は唎酒師・藤本さんのミニ日本酒講座を聴講し、

売店で次に向かう向原酒造の限定酒を買いました。

 

そして向原酒造へ。

以前執筆・編集した「ええね!ローカル線旅 線路は続くよ完全攻略ガイド」

でも向原酒造のお酒「向井櫻」を芸備線のページで取り上げましたが

実際に蔵に入るのは初めてです。

小さな蔵で、ほぼ渋川杜氏一人で全種類のお酒を造っておられます。

“手作りのお酒”と聞いてはいましたが、何十キロものお米を洗って浸漬して、

それを蒸し器に人力で移し、急冷器や製麹室にも人力で運び…

実際に目の前でその様子を伺えば、

何から何まで本当に手作りです。

その大変さを思うと、情熱がないとできないことだなあとしみじみ。

うまいうまいとドンドン飲むだけでなく

そのありがたさを実感しながら(ドンドン)飲もうと思いました。

蔵併設の売店は通常は平日のみ営業ですが、

皆さん感動して「売ってほしい」の声が次々上がったため

一時的に開けて販売してくださいました。

 

中国地方で一番長いローカル線・芸備線だけあって

沿線の地酒もバラエティ豊かです。

酒造りへの思いを直に伺うことができた良い旅でした。